1級小型船舶操縦士試験(試験総括:学科編)

実技試験が思いのほかうまくいって、学科試験の準備開始。朝の有象無象は嘘のように、るんるんです。

朝から学科のつもりで起きて飯を食いながら最終詰め込みしたので、ちょっともういいかな感はあります。でも、割と、棒暗記の箇所もありますし、勉強しないで受かるという試験ではないことはまちがいないので(1級の話)。

2級はまあ、常識的な問題も多く、ちょいちょいでも受かる人は受かると思います。

【試験の概要】

あらためて、試験について。

2級 50問 33問以上で合格

1級 14問 10問以上で合格

※合格点は65%です。

※1級取得の場合は、2級と1級を同時に受験し、同時に合格する必要があり、仮に2級合格+1級不合格でも、2級合格になるわけではなく、「不合格」となる。

・車の学科試験よりはボーダーが低い。

車よりも遙かに現実とは遠い世界の話が多いので、これで9割と言われたら一般的には厳しい試験になってしまいますな。海上交通は、港湾部等を除けば、基本的に自由(人をひくような危険はほぼないし)ということですね。

・範囲は多くはない。

また、水上交通は、上記の自由からすると、車よりもルールは少ない上、「道」のように決まったルートがあるわけではない(やはり港湾等を除けば)ので、範囲も少ない。

そういうわけで、2級は、合格率9割以上の試験です。こんな国家試験は他にないと思います。

しかし、1級は別物。試験後振り返れば、8割以上1級の勉強。これだけは私もちゃんと腰を据えてやりました。これは勉強日誌に残したとおりではあります。

1級に限った話ですが、棒暗記だと極めてしんどいので、ちゃんと原理原則に従って理解を伴う必要がある箇所もあります。幸い、気象などは理科(地学的な内容)が好きなもので難なく、クリア。海図も、数学が好きなので理解は容易で、あとは作業慣れ、でしたが、それ以外のエンジン周りなどはあまり物理学的な素養がなく、車でもあまり直接エンジン周りはいじらないため、かなりやりました(問題集の全ての問題で満点が取れるくらいやりこんではいます)。

実際、2級であっても、灯台の仕組みや標識など、覚えるべき基本ルールはありますが、そこは覚えなければ仕方ない。みすみす捨て問にするのは、海に出る者としてどうかとも思いますので、ちゃんと覚えます。

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スマホを利用した勉強法

教科書を持ち歩くのは嫌なので、スマホでこれだけは覚えなきゃしょうがないところはパシャパシャ写真を撮って、いつでもどこでも見れるようにしておくわけです。

to-eureka.hateblo.jp

スマホは最高のパートナーだと私は思っています。

そうすれば、教科書出すまでもなく、スマホさえ出せば1分でも目に焼き付けられますからね。20頁くらいこうやって撮りました(なぜ車の中かといえば、車で人を待っているときに撮ったから)。

【学科本番】

12時30分から試験開始」ってアナウンスがありました。

で、12時20分から説明をします、っていう流れだったのですが、なんと、説明が終わったのは12時34分センター試験だったら、新聞に載って大騒ぎになるところですね(笑)。しかし、受験者数が少ないので、この辺は臨機応変にやれる運用なのでしょう。国家試験ではありますが。

説明の中で、「問題冊子を開いてください。落丁はないですか?」とありました。え?開いていいの?普通は始まってからチェックしません?あったら手を上げろ、って感じではないですか?まあ、いいか、事前にチラ見したところで、時間余る試験ですし。国家試験ではありますが。

ある受験生は、落丁チェックではなく、完全に問題ガン見して見当つけてましry

で、試験開始は「12時35分からでいいですね。じゃあ、あと20秒くらいで始めます。」

1級+2級の合計試験時間は、140分ですが、140分かかる人は多分皆無です。絶対に早く終わります。ですので、多少雑でもいいんでしょう。国家試験ではありますが。

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配られる2つのホチ止め問題集と試験用海図

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実際の試験問題(1級)最初の3問は海図

そんな感じで、スタート。

マークシートですが、マークは後回しにして、どんどん解きます。

模試では、2級は15分弱、1級は海図作業含めて30分くらいでしたので、まあ、マークの時間とマークチェックを含めて1時間くらいかなという感じで。

・・・・

一通り解答終わって、マークに慎重に転記をし、最後に、もう一度全問マークのチェックを入れました。時計を見たら、13時15分でした(ここまで40分間)。ほぼ全部、問題集と同じ問題で構成されておりまして、うーん、マークチェックではない「問題の見直し(解きなおし?)」をするかどうか、10秒ほど考えました。

「問題集とほぼ同じで、迷いのある設問はない実感。64問も全部見直すのはめんどくさい。朝から走って疲れた。かえりたい。出よう。

という誘惑に速攻で負けて、荷物まとめて解答用紙を指定された通りにして、退出。これで私は、一足先に試験終了。

途中退出は30分後からできます。

退出すると、二度と戻ることはできませんので、試験室外の掲示板に、解答が示されており、自己採点が出来ます。

まず、あまり落とせない1級を。

1級 14/14(満点)目標達成。

 さすがに、問題集の問題280問全てを出されても満点取れるまではやりこんだ(その必要性は絶対にないが、受験経験と受験指導を仕事にしている以上、そういうやり方になってしまう)だけはありました。数問のミスが響く試験では、満点を狙うのが基本姿勢です。海図も数値がピタリでしたので、自信はありました。

 で、2級は65%を切ることはもはや想定しがたいが、何点かは気になるので、やってみる。

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時間があれば、やはり見直し(解きなおし)をすべきである・・・

2級 63/64(??)

満点取れるぞ、というほどやりこみはしておりませんが(1級(14問)より問題は多く(50問)ともすごく簡単で、17問落としてもOKだから、多少はミスしても良い)、実感では、満点の実感がありました。え、なぜだ?と解答掲示板の前で呆然(笑)。どうせなら完全制覇という欲が(いまさら)出る。

問11 ×

まあ、いわゆる車検のようなものが船にもあるわけですが、これ、勉強したことなくても日本語の「譲渡」の意味が分かれば解けますよ。普通に考えて。

こんな問題があって、考えたことが記憶にないくらい印象の薄い「極易問題」。正答率は99.9999%ではないかと思われる。

「誤っているものを選べ」だと・・・?

すぐ隣に、「車検証」のように輝く、「検査証書」があるわけで、それは飛びついちゃいますよね、パブロフの犬のように。そうか、きっと私、条件反射で解いたんだな、これ。

そういうわけで、2級は満点は取れませんでした。悔しいぞ、これ。

 

【学科総括】

 マークミスもチェック済みなので、何か「神の見えざる悪意のある手」や「マーク読み取り機」が故障したり、朝の有象無象のように、試験実施機関の手違いが無い限りは、受かっていると思います。

 総じて、勉強時間は、勉強日誌記載の時間と、電車の行き帰りや細切れなどを加えて、12~14時間というところでしょうか(期間にすると2週間程度)。多分、今日の問題構成からすると、1週間前でも大丈夫だったかもしれません。

 ただ、勉強しなくて良かったかと言えば、やはりNO。とりわけ、1級は真面目に詰めた方がよい。

 私は受験業界人。普通の人と違って、試験対策に関する方法論や、普段生活してて使わないような数学的概念や理科概念に接し続けているので、結果的に、全てを総覧する必要はありませんでしたが、もし、私が大卒後、そういう職業についていなければ、しんどい部類(1級は)ではあるかもしれません。学科教習をきちっとつけてもらうか、腰を据えてやるほうがいいかもしれないような、気もします。これは受験者個人の属性によるところはあるでしょう。

 でも、詰め込みが強烈に効く試験であることは間違いなく、詰め込みこそ、真の教育であるというのを実感しています。

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これこそ受験の流儀

 

 かくして、合格発表はまだですが、船長デビューと相成りそうで、春の訪れが楽しみになってきました。ヤマハのレンタルボート、シースタイルのサイトを見て、ボートを借りるマリーナを探したりしています。久々に勉強が、面白かったな、という感想です。