1級小型船舶操縦士試験(勉強日誌5)を通した暗記系学習の考察

 取得予定の1級免許では、私のような船舶関係の免許を一切持っていない者は、同時に2級の学科試験も受験し、1級と2級それぞれ同時に合格する必要があります。

船舶免許 2級試験の概要

 第1科目 小型船舶操縦者の心得及び遵守事項 12問

 第2科目 交通の方法 14問

 第3科目 運航 24問

 総計50問 合格点33問以上 ★問題集だと、1000問×4択=4000個

 

 ということで、もれなくやるべし!という先人たち諸賢のアドバイスは、無理です。問題集の編集方針は、「過去問の使い回し」だから全部過去問載せたからよろしくね★というスタンスで、実にしんどい。無論、「過去問の使い回し」だからこそ、過去問全部網羅させるのが最適解なのですが。

 無論、重要な分野であることは間違いないものも多くて、例えば、

 灯台の光のシステムとか分かるし、海に浮かんでる物が「ああ、そんな意味だったのかあ」とか気づきもあって、ただなんとなく眺めていた灯台も見え方が変わるんだなあ、とか感慨もないわけではない。また、港での船の行き来や汽笛のメッセージ性も分かるようになる。

 

 だとすれば、あるからやるしかない。「なぜ山に登るのか」と問われれば、「そこに山があるから」的な、「なぜ苦行に耐えるか」「そこに問題集があるから」。よし、ひとつひとつ潰すぞ。

 という心理になるかと思っていましたが、なりません。4000個の選択肢、似たようなものだらけとはいえ、盲目的に全部目を通す(盲目的に全部目を通すってすごい表現だと思う)のは、午前中、昨日の飲み会の二日酔いで辛く、貴重な日曜日をそんな作業で潰すと仕事に支障が出る短期で詰め込む勉強の方法としては間違っている。

 迫った試験までの日程を考えると、週休日は早朝より実技訓練で多分終了後は寝不足で絶対に、使い物にならない。その他は、絶頂に忙しく、試験前日は22時までお仕事で、翌日早朝から試験なので、実質今日1日しかない。

 というわけで、ネット上と手元の雑誌含め、3つ模試があるので、全部一気にやることにしました。本当は5個くらいあると精度が良くなるんですが、3つしかないので、3つ。

 ここからは、勉強法に関する持論ですが、先に模試解く演習は、大学受験でも特に暗記系のもので有効と思っています。このぶっつけ演習の趣旨は、「炙り出し」です。

 単調な1問1答方式系の問題では、とりあえず、同じ分野で数打って、正答率の低い(5割以下)分野と5割以上の分野、7割以上の分野、9割以上の分野(船舶免許では、10割の分野もありうる)のようにやって、炙り出しを行う。あぶり出したら、全体で欲しい得点率から考えて、どの分野を集中放火するかを決めて潰せば、大失敗はしなくなる。正答率の低い順から潰す、というのが自然になるでしょう。

 船舶免許の場合は、問題集の配列上、例えば、本試験の問5に相当する分野については、20問程度の問題が掲載されていますが、上からやると網羅性がない編集になっておりますため、問題集は模試にかなわない。

 よって、炙り出しのためランダムにしたものを使うとなると、船舶免許でも模試になります(英文法などはこれに近い)。しかし、1回や2回では炙り出しの精度は低い(たまたま正答を廃除できないため)。できれば5回以上あるといいですね。こういうやり方は、TOEICでは有効でした。

 

 そういうわけで、模試を3回分全部解く。

 50点満点中、42-39ー40(※合格点は33点以上)

 もう勉強しなくていいんじゃないかと

 なお、模試の最中は、全選択肢を健闘し、自信のないものに必ずマークを入れます。本番はそんなことはしませんが、それをやることで、「実質得点(自信のないものを誤答として算出したもの)」を出し、「炙り出しの精度」を上げていきます

 3回の結果、明らかに手薄な分野が8問分、正解は出来そうだが、選択肢の全てまでは分からない問題が5、6問というところでしょうか。そうすると、私の「実質得点」は35~37点くらいでしょうか。

 自信のないものなどをすべて間違えることは想定しがたいので、やはりもう勉強しなくていいんじゃないかと(試験は、一般的に考えても、理数がそれなりに好きな方ならこんなレベルではあります)

 そういうわけで、全50問の勉強から、13~15問程度の勉強に射程を絞りました。

 これなら、問題集として300問=選択肢1200個あるかないかで済みます(?)。

 1級(問題集では、海図問題を除いて200問近くある)は先週までに一回解いたのですが、後半に棒暗記の設問が多く、この復習の時間(実際には、6問分くらいなので、100問程度)が必要なので、まあこれが限界でしょう。

 もう、これ以上は天変地異が起きて、1日くらい突然増えるか、時間が止まらないと無理(現在14時)。

 では、ここより、潰しの時間に入ります。ここからはひたすら詰め込みです。詰め込みの具体的な方法としては、

 まず、総覧学習ということで、教科書を一気に総覧します(丁寧に読むわけではない)。そして、即時演習です。そこで間違った選択肢は、選択肢のまま覚えてしまう。

 実は、私的には、こういう短期間総覧学習は非常に効果的だと思っていまして、教える側の立場にいるときにお薦めして回っています。

 今回は分野集中砲火ですが、詰め込みでは、「高速で、一回一通り終わった」ということは重要です。自分の穴となるところに一通り触れられていることは重要。

 よく、1ページ目からすごく丁寧に、じっくりと完璧主義な勉強をする人がいますが、それはそれで素晴らしいことなのですが、そういうやり方を最初からとると、全部の範囲を終わらせるのに、1ヶ月以上かかることになるでしょう。それは、モチベーションのキープに、ものすごく精神力を使う。例え1ヶ月で終わるにしても、1ヶ月間の予定など予測つかないではありませんか。結局、今日は立て込んでいて、とか何らかの支障が出ると、気持ちも切れる。それで頓挫したり、余計に期間が延びたりすると、結局振り出しに戻る(ケースが少なからず)。

 最初からフルスロットルで精神力(MP)を消費するなら、短期間で終わらせることのほうにフルスロットルしたほうが、耐えられる気がします。もちろん、鉄の覚悟と1週間だけ、強い強い意志は必要です。この手法では、詰め込み後の疲労もすごいですが、目の前にあるのは、自分がこの後重点的にやるべき穴が一目瞭然のブツ。従って、次からは、このすべての量をやる必要は無く、格段に量の少ないタスク。これならモチベーション新たに、学習を継続できるような気がしませんか。

 私は、これを「正当な詰め込み」とし、全面的に「詰め込み勉強」信者として流布しています。

 今回は、2級の炙り出し分野を全部で2時間で終えることを鉄の意志で固めてやってみました。ただ、繰り返し述べていますが、教本だけで解けるようにはならない。問題にあたらないと無理なので、問題集を解くことになります。先に述べた繰り返しを念頭においた詰め込み学習は大学受験レベルのお話で、今回は、何周もすることは難しそうなので、ちょっとツラめです。で、実際に勉強を終えて(20時)、

 ●1級にかけた時間

  海図・・・1時間くらい。海図の復習1.5時間(実際に作図すると時間はかかる)

  その他・・・3時間30分くらい。復習1時間。

 ●2級にかけた時間・・・初日11分(最初に無勉強で解いた模試の解答時間のみ)。

  模試40分(3回分)と炙り出し作業20分

  潰し作業 2時間(教本を高速で一読し、即演習)→1週間、記憶よ、残って下さい・・・

 ●ロープワーク・・・毎日2分程度練習する。→さすがにもういい。

 ●実技Youtube・・・あとは実技教習で慣れればOK。

 明日からは、細切れの時間で復習がどこまでできるかですね・・。

 学科教習受ける人はさておき、独学の先人たちからすると少ないし、粗い。合格率高い試験とはいえ、週休がなかったのが先週で、3回も飲んでいる場合でもなかった気がしました。受験料が高い(学科だけで申請等含め8千円程度)のと、プライドにかけても落ちるわけには行かず、焦ります(笑)