え、「百合漫画」?「やがて君になる」(1)
ダヴィンチ・ニュースより
今日も、中央線は混み合っていました。この季節の週末の夜遅い「退勤電車」は夏よりも香ばしいです。
そんな退勤電車では、様々なネットメディアサーフィンが日常です。
角川さんのマンガは、ときどき味わいます。「僕だけがいない街」は、良作だった。アニメも映画も見ました(映画は微妙)。とにかく、漫画は面白かったと思います。
そして、本日、ダヴィンチ・ニュースの上記記事。え?これ「百合漫画」?これまで生まれてから現在まで、ノーチェックジャンル。これまではスルーだったわけですが、やや遅れ気味の中央線は徐行運転中。混雑を避けた9両目の先頭付近でさーっと流し読んでみました。
「女性作家さんだけあって、すごくきれいに描いてるなあ。」
アホ毛だったり、束ねただけのポニーテールキャラ(e.g. 堀裕子)は愛らしさがあって、私は好みであるが…あ、そういう動機ではなくて、「丁寧な描写」がカット絵からも、インタビュー内容からも伝わります。
私は、情景描写が丁寧な作品が好みです。それは漫画は無論、小説でも、映画でも、ドラマでも。ほんのワンカットであっても、丁寧に描かれた情景描写は、それまでのストーリーを一身に引き受け、ときにある無音感が作品にこれまた味わいを与えてくれます(どうにも言葉にしにくいですが・・・)。
※センター小説は、情景描写が命ですよ。
アホ毛の子がなかなかうまく描かれていてそういう丁寧な描写がなされているのであれば、読んでみるかと試し読み。初めての「百合漫画」です。アンテナすら向けたことのない世界。
結局のところを先述すると、最新刊まで一気に読了。
いわゆる「百合の世界」には触れたこともなく、百合ではなくとも、とうに、高校生の恋愛モノなど遠い昔の世界で、もはや高校生は「頑張る受験生」にしか見えない私からすれば、そこで描かれる恋だの愛だの、というものはちょっと厳しい・・・ そんなステレオタイプ的なものなど、第1巻の前半で既にどうでもいいと考える余裕すらなくなっていました(ことを事後的に気づいたという次第です)。余裕とか言う余地もない。客観的に作品と距離感を持つ隙すら許してくれない。
情景描写は無論のことながら、登場人物の目の描(えが)き、背景描写・・・。いつものデバイスで頁をめくる(正しくはスワイプ)感覚はおろか、マンションの横の道路で物音がする、今日の夜はやや冷える、夕食を食べていないのでおなかがすく、そういった自らの生理現象すらかき消してしまうほどに作品世界に引き込む画力。
なんということだろう。なんと言えばいいのだろう。衝撃だ。
1巻、1巻読み終えるたびに、次の巻をワンクリックで購入する手続を履践しなければならないのがKindleですが、その過程すら、記憶にない状態です。気がついたとき、6巻(執筆時点での既刊分)が終わっていました。
なぜにこれだけ、機微を丁寧に描写できるのか。その答えは、少しずつ、繰り返し味わいながら、丁寧に取り扱ってみたい漫画ですね(そうする)。
初めての「百合漫画」この作品との出会いは、深い深い衝撃(DeepImpact)でした。
続きは、あるかもないかも(気まぐれですので)。
ただ、知人から、おすすめはされました(後日)。視点は私とはかなり異なるんですが、なるほど。